著作権の間接侵害の判例マップの例

MYUTA事件の判例を改めて細かく読んだ結果、複製の主体が誰であるかによって、公衆送信の主体も決定してくるのではないかと考えるようになってきた。

複数の記事では公衆送信権の主体の判断として、まねきTV事件とMYUTA事件の事例を挙げ、サーバが物理的にユーザーと同数存在しているかどうかに着目しているが、どうもそれがミスリードではないか、という気持ちがMYUTA事件の判例を読んでいくうちに生まれた。

公衆送信権の主体を大きく左右した事柄は、複製の主体が原告(MYUTA側)にあったことであり、そのためサーバにアップロードされた音楽データはMYUTAが違法に複製した扱いになっている。この時点で私の目にはユーザーがアップロードするまでも無く、MYUTA側が別のルートを通じてファイルを複製した状態と同一に見える。そのような音楽データを送信する場合、登録ログイン式のサイトだとしても、1対1の私的な通信ではなく、MYUTAが不特定多数のユーザーに配布していると見えてしまう。よって公衆送信の主体がMYUTAとされたのは、複製権の主体がMYUTA側に認められたことが大きく作用していると見える。

仮に複製の主体が利用者側にあったと判断されるようなシステムであれば、登録ユーザ式のログインであっても、送信の主体は利用者側にあったと判断されたのではなかろうか。

よって、今回の間接侵害の事例について、著作権の間接侵害(3)利便性の高いサービスほど「侵害行為の主体」と見なされる傾向を参考にして、上記の表にまとめた(空白は興味があったら埋めてみる)。上記の表は色々な要素を含んでいるが、重要なのは複製の主体が誰であったか、であると自分は理解している。

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